ここまで見てきたいくつかの例には、それぞれの地域の事情が色濃く反映されていますが、1990年代後半ぐらいからは分野全体で装飾性の強い作品が増えていきます。
興味深いことに、それまでは特に装飾的な作品を作っていなかった作家の何人かも、このころになると、春に芽吹く大地のように装飾性の高い作品を作り出していることです。ブランド スーパーコピー おすすめその傾向は、2000年代に入るとさらに加速していきます。
ジュエリー史家のリズベット・デン・べステン(Liesbeth den Besten)はそれを時代の変化と結びつけて考えています。モダニズムの影響下では機能性やミニマルな表現が好まれ装飾は疎まれがちでしたが、ポストモダンの時代は一転して、アートや建築、デザインの分野でも趣向を凝らした造形や華やかな装飾が歓迎されるようになりました。
ジュエリーにとってそのことは、本来の特性に立ち返っていくことでもあります。そのように考えると、時代を反映した芸術性の高い作品を作ることは、必ずしも目新しさを通じてしかできないことではないのかもしれません。
現代においても油絵という因習まみれの技法を使いながらも人の心を打つ画家がいるように、ジュエリーの世界も古くからの技や素材を使いつつ伝統を刷新する作家が、いつの時代も存在します。
そういった作品は、そのほかのアート分野の基準では芸術作品として認められづらいかもしれません。だからこそ、その価値や魅了を理解してもらうためには直接かかわる人の努力が必要です。